建物のこれからのために
維持保全
ビルディングドクター
『建築仕上診断技術者(ビルディングドクター〈非構造〉)』建築仕上診断技術者は、平成2年度にBELCAが創設した資格制度です。平成3年6月13日付で「建築仕上診断技術者の活用について」(建設省住防発第14号)という通達が建設省(当時)から全国の特定行政庁に出され、資格者の活用が通達されています。
長寿命な建築物が増えることが予想される今日、年月の経過した外壁等に関する問題は、人命の安全にも直結した問題であり、また、躯体の耐久性にも関係するものであり、今後一層重要になっていくものと考えられます。
そのような背景から、建築仕上診断技術者の存在はますます重要になっています。建築物のロングライフ化をめざし、維持保全を行うのには、計画性が重要になります。また、費用面については運用資金計画を含めたコスト計画が重要であり、維持保全の条件や予算、維持管理のレベル、方向性、計画性が必要です。
既存住宅状況調査
既存住宅状況調査技術者とは、平成29年2月に創設された既存住宅状況調査技術者講習制度による新しい技術者資格です。
宅地建物取引業法の改正により、平成30年4月より、中古住宅の売買の際に行われる重要事項説明に、既存住宅状況調査を実施している場合にはその結果について説明することが義務づけられました。この調査を行うことができるのは、既存住宅状況調査技術者の資格を持つ者のみとなっており、従来のインスペクターの資格では行うことができません。
既存住宅状況調査技術者が行う既存住宅状況調査(インスペクション)とは、構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱等)に生じているひび割れや、屋根、外壁等の雨漏り等の劣化事象・不具合事象の状況を、目視、計測等により調査するものです。破壊検査、瑕疵の有無の判断、建築基準関係法令への適合性の判定等は含みません。
木造住宅耐震診断・補強計画 技術者
1995年の阪神・淡路大震災では、倒壊した建物や家具に押しつぶされて亡くなった人が犠牲者(6千人余り)の約8割を占めていました。その壊れた建物の多くが古い木造住宅でした。来るべき大地震に備えて建物の耐震化に取り組む、それが阪神・淡路大震災の教訓であり、その年のうちに「耐震改修促進法」が制定されました。ところが、古い木造住宅の耐震化が思うように進んでいないのが現状です。
耐震診断と補強に助成制度がある自治体が増えていますので、来るべき大地震に備え、まずは耐震診断からはじめては如何でしょうか。
耐震診断は、こうした旧い基準で建築された建物について、大地震に対して強度(耐震性)があるかどうか調べる診断作業のことです。
この診断で、強度の不足が見込まれたとき、建物を補強し地震に耐えるように改修することを「耐震補強」や「耐震改修」と言います。耐震補強や耐震改修を行いながら、建物の長寿命化の提案を合わせて行います。